2015.8.1

「ウクピク」の原点だったコハラ・スラックキー&ウクレレ・フェスティバル〈その3〉

スラックキー・ギター・フェスティバルとは、スラックキー・ギタリストの名手、ギャビー・パヒヌイ(1921-1980)へのトリビュートとして1982年から始まり、ハワイ州各地で開催されてきたフェスティバルです。おもさんたちが訪れた1990年代末〜2000年には、ハワイ島北端のコハラ地方にある街、カパアウで、このフェスティバルが開催されていました。

この地域はハワイ王国の初代国王カメハメハ1世の生誕地で、カパアウではそびえ立つカメハメハ大王像がお出迎えしてくれます。そして大王の指が指す方向に歩いて坂を下って行くと、会場のカメハメハ・パークが目の前に開けるのです。フットボール・フィールド等も備えた広大な公園で、隣の体育館ではスラックキー・ギターのワークショップも開催。そこに、おもさんとIWAOさんだけでなく関口和之さん、デビット・スミスさんも一同に会したのでした。

出演ミュージシャンはジョン・ケアヴェ、サニー・リム(リム・ファミリー)、クニア・ガルデイラ(ギャビー・パヒヌイの孫)、チャールズ・ブロットマン(コハラ)ら。そしてIWAOさんと関口和之さんも、2人でステージに立つことになりました。 「たしか、せっかく来たんだから出れば、という流れだったと思う。なにしろ出るほうも見るほうも気軽。そんな風景を見てぼくは俄然、音楽が好きになった」とおもさん。コハラのスラックキー&ウクレレ・フェスティバルは、やるほうも見るほうも同じ目線で楽しむ。それは、日本には滅多にない光景でした。

この空気感をまるごと日本に再現したのが、現在も毎年開催され日本の夏を代表するウクレレ・イベントになったウクレレピクニック、通称「ウクピク」です。あのときコハラで感動を共有したデビット・スミスさんの手で、2000年に第1回が開催され、1回目の出演者には関口和之IWAOKONISHIKI、高木ブーら日本を代表するウクレレ・プレイヤーたちが勢揃い。当時まだ規模は小さかったけれど、会場の逗子マリーナでは演奏を聴きながらプールで泳ぐ、という楽しみ方もできたのです。