今回編集部は、東京メトロ丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から徒歩3分（JR中央線阿佐ヶ谷駅からも徒歩圏内）、青梅街道沿いのセブンイレブン2階にある「ラストギター」に行ってきました。ここは、以前大手楽器店でアコースティックギター部門を担当していた小山晃弘さんが、小型ショップならではの目線で楽器を揃え2013年3月にオープンさせた楽器店です。店内は、ギターもウクレレも品揃え豊富。小物もキレイに整理されセンスのいい空間が広がります。

ラスト･ギターのこだわりは、徹底した楽器管理。
「ウクレレやギターなど木の楽器は、気候や季節によって状態が変わりやすいので、湿度管理が重要。日々、楽器の状態を見ながら適切な調整を加えています。また、楽器は品番が同じでもそれぞれ木目などが異なるので、１本１本写真を撮って商品管理します」と小山さん。

「初心者が楽器を買う時の一番のポイントは、その楽器を好きになれるかどうか。昨今の傾向として、情報が多すぎて何が良いのか分からなくなっている方が多いですね。素直に見た目で選ぶもよし、あるいは音色、そして価格も。自分の直感を信じ、楽器との相性を探ることが大事なので、まずは楽器に触れて気になる一本を探してください。時間をかけて楽器を見て、集中して音色を聴いて欲しい。そのためにもお客様には必要以上に話しかけないようにしています。質問があればしっかり説明しますよ」

お店の看板ロゴ（写真）を見てピンと来た人もいるでしょうが、小山さんは、1976年の解散コンサート記録映画『ラスト･ワルツ』（マーティン･スコセッシ監督）と同名サントラで、70年代ロック史に名を刻んだ伝説のロック･バンド、ザ・バンドのファン。ご自身も、“ザ・バンド的な”バンドで月１回ほどライブ活動を行いボーカル＆ギター担当するだけに、楽器へのこだわりはミュージシャン目線です。またスタッフには、小山さんの奥さま夏子さんと、ストアマネージャーの那須晃一郎さん（スタッフの写真、左から小山さん、夏子さん、那須さん）。楽器メンテナンスを担当する那須さんは、お客さんからの信頼も厚いのです。

さて、ウクレレの最近の売れ筋商品はというと、岐阜県可児市の名工・川上秀穂氏が製作するMajesty「MC-3K」、ハワイのIMUA社がビルダー高橋信治氏とのパートナーシップにより制作するハワイメイドのIMUA 「iCN-C」、静岡県浜松市のビルダー竹下泰弘氏によるブランドBLUE STRINGSの、南国的な配色が目をひく 「CEH キルトメイプル/アルダー」など。

Majesty「MC-3K」

IMUA「iCN-C」

BLUE STRINGS｢CEH キルトメイプル/アルダー｣

また、カナダの女性ビルダー、シェリー・D・パークさんが１人で製作するMOODYVILLEの「Gypsy Tenor Ukulele」（キヨシ小林さんも愛用する繊細でおしゃれな１本）や、米オレゴン州で製作されたアウトドア仕様の「Outdoor Ukulele」（ポリカーボネイト製でお手頃価格）、ビルダー高橋信二氏の工房セイレンが製作したウクレレベース、Seilen「AMB-100 」（マホガニーのアコースティックボディにL.R.Baggs Five Oピックアップ付き）もオススメ。なかでも鮮やかなグリーンが目をひく「Outdoor Ukulele」は、夏子さんが海外のサイトで見つけた商品で、今ではお店の人気商品になっています。

MOODYVILLE「Gypsy Tenor Ukulele」

Outdoor Ukulele

Seilen「AMB-100 」

ラストギターが応援しているウクレレ・ミュージシャンには、現在人気急上昇中の若手プレイヤー・名渡山遼、オリジナル曲でハートフルな世界を展開するウクレレ歌唄い・デイジー☆どぶゆき、人気のぬいぐるみウクレレデュオ、U900のなりあいひろゆき、カナダ人ウクレレ名手・ジェームス・ヒルなどがいます。「それからパール・ジャムのボーカリスト、エディ・ヴェダーのCD『Ukulele Songs』はオススメですよ」と夏子さん。オルタナティブ・ロック・バンド、パール･ジャムのエディが奏でるオルタナティブ･ウクレレなんて、ロックにこだわるラストギターならではのチョイスでした。（取材＆写真：吉岡研一郎）

『Ukulele Songs』
Eddie Vedder
（2011年 Republic）

● ラストギター
〒166-0015 東京都杉並区成田東4-34-15　榎本ビル201
TEL : 03-5913-8302
http://lastguitar.com
営業時間11：00～20：00 / 休日：火曜日