IMG_07096月25日(土)恵比寿ガーデンホールにて、カマカ設立100周年を祝して「KAMAKA UKULELE 100th Anniversary Ukulele Concert(カマカ・ウクレレ・100周年記念ウクレレ・コンサート)」が開催されました。
ハワイアンのコンサートを生で見るのが初めての私は、この日を心待ちにしていましたが、想像以上の感動と、アロハの心を体感することができました。

IMG_0736司会は、クリス智子さん。まずは、会場にいる全員でカマカ100年の歴史をスライドで振り返ります。
そして、ブライアン・トレンティーノ率いる、サイドオーダーバンドが登場し、「アロ〜ハ!」のかけ声で演奏がスタート。ハワイ独特の、のんびりした空間や、自由や平和を感じさせる音色は、聞く人の心を癒してくれます。ブライアン・トレンティーノ(ウクレレ)、クリス・カマカ(ベース)、エイサー・ヤング(12弦ギター)、デル・ビーズリー(ギター)の4人による美しく温かなコーラスに、全身が一気に解放され、さらに3曲目の、2012年のミスハワイ、スカイラー・カマカらによる、華やかでしなやかな本場のフラに心を奪われてしまいました。

ここで、日本でウクレレと言えばこの方、スペシャルゲストに関口和之さん(サザンオールスターズ)が登場。カマカ100周年を讃えつつ、カマカを愛する若手ミュージシャン3人を紹介し、三種三様の演奏が続いていきます。
IMG_0717まずは、カレイ・ガミアオ。甘いマスクにムキムキの上半身が魅力的。13歳でウクレレを始め、ジャズ、ラテン、クラシック、アイリッシュトラッドなど様々なジャンルの要素を取り入れて独自のスタイルを確立。ストーリー性のあるスケールの大きい楽曲を、繊細かつ力強いプレイで観客を魅了しました。
続いて、ブリットニー・パイヴァ。ピンクに染めたツートンカラーヘアーにハット姿がとてもキュート。
ジャズ、ロック、フラメンコ、クラシック、ワールドミュージックなど様々な音楽に影響を受け、ウクレレ以外に、ベース、ギター、スラックキーギター、ピアノ、ドラムも演奏するマルチ奏者だという彼女は、ループやサンプリングを使用したスタイルで、今を感じさせる、親しみやすい楽曲で楽しませてくれました。IMG_0725
1部最後にタイマネ・ガードナー。妖艶な顔立ちに真っ赤なドレスがなんとも素敵。6歳でウクレレコンテスト優勝。以来、ストリートパフォーマンスなどで腕を磨き、13歳でハワイ音楽界のレジェンド、ドン・ホーに才能をみとめられたというスーパーウーマンですが、「ゲンキ〜?」「エガオガイチバン〜」など日本語での挨拶や、加山雄三の「夜空の星」、日本伝統の歌曲「さくら」を取り入れるなどサービス精神旺盛。自由に弾き舞い歌い、彼女が生み出す神秘的な世界と、彼女の可愛らしさに会場全体が吸い込まれました。

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続いて、サミュエル・カマカ、フレッド・カマカ兄弟から、メッセージビデオが届き、和やかに2部がスタート。
サイドオーダーバンドが愛すべきハワイの名曲を聴かせてくれた後、いよいよスーパースター、ジェイク・シマブクロの登場。待ってましたとばかりに、一段と増した歓声と拍手に「ヨロシクオネガ〜イ…シマブクロ〜!」と笑顔で応え、演奏スタート。IMG_0750
代表曲「Bohemian Rhapsody」「Blue Roses Falling」「While My Guitar Gently Weeps」など、ジェイクファンには鼻血がでてしまうほどのラインナップで演奏し会場を沸かしました。私は5曲目の「Crazy G」を初めて生で拝みましたが、あまりに高速すぎて笑ってしまいました。
超絶プレイはもちろんのこと、彼の明るく気さくなキャラクターや、音楽を思いっきり楽しみ全身で表現するスタイルに人々は惹かれるのでしょう。 最後に、ブライアンと2人で演奏してくれた、エディ・カマエに捧げる「E Ku’u Morning Dew」の、あまりの美しさには思わずため息……。

IMG_0800フィナーレは、全出演者による超豪華な「Hiilawe」。そして観客も総立ちになり一緒に「Hawaii Aloha」を大合唱し、歓喜冷めやまぬまま、スタンディングオーベーションで幕を閉じました。
今を輝くハワイアンミュージシャン達の、カマカを愛する奏では、私達に大きな感動を与えてくれました。

100年という長い歳月を経て、開催された今回のコンサート。カマカウクレレがなぜ人々にこれまでも愛されるのかがとても良く分かりました。
ウクレレと人を繋ぎ、人と人を繋ぐ、その原点はアロハの心。大切に培われたアロハの心によって私達も二度と無い瞬間を共有することができました。
今回、素晴らしい演奏を披露してくれたミュージシャン達の今後の活躍がますます楽しみになりました。新たな100年を歩むカマカと共にウクレレの可能性はますます広がっていくことでしょう。
(取材:福島恵美/トイズミュージックスクール)