2016.4.5

ウクレレ基礎練習:フレーズの表情を豊かにし、指が強くなる「ハンマリングオン&プリングオフ」

「ハンマリングオン」と「プリングオフ」は、フレーズの表情を豊かにするために使うテクニックですが、このトレーニングを行うことで、美しい指の形で、しっかりした音を出すことができるようになります。

ハンマリングオン(=Hammer on)とは、ハンマーで叩くという意味のとおり、左手の指で弦を叩いて音を出すこと。たとえば、2弦の「ミ/E」をはじいてから2弦の1フレットを叩くように押さえれば、「ミーファー(E-F)」と、弦を1回ピッキングしただけで2つの連続音を出すことができるわけです。
プリングオフ(=Pull off)とは、左手の指で弦をひっかくようにして音を出すこと。たとえば、1弦の3フレットを薬指で押さえて「ド/C」を弾いてから、薬指で弦をひっかくように外せば、1弦の「ラ/A」の音が出ることで「ドーラー(C-A)」と、同様に2つの連続音を出すことができます。

ハンマリングオン
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プリングオフpulloff_1

この「ハンマリングオン、プリングオフ」トレーニングでは、各弦の1〜4フレットを使って、行きの上昇メロディをハンマリングオン、帰りの下降メロディをプリングオフしながら発音していきます。 まずは1弦オープンで「ラ/A」をはじき、そこに1フレットを人差し指で叩くことで「ラーラ#ー(A-A#)」という連続音を出します。続けて、1フレットの人差し指を押さえたまま、1フレット「ラ#」をはじき、2フレットを中指で叩き「ラ#ーシー(A#-B)」という連続音に。続けて1、2フレットを押さえたままま「シ(B)」をはじいて3フレットを薬指で叩き「シードー(B-C)」。最後は1、2、3フレットを押さえた状態で「ド(C)」をはじき、4フレットを小指で叩き「ドード#ー(C-C#)」の連続音を出します。
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帰りはプリングオフで下降します。1弦の1、2、3、4フレットを押さえた状態から、「ド#(C#)」を弾いたあと左手小指をひっかいて「ド#—ドー(C#-C)」という連続音を作り、続けて1,2、3フレットを押さえた状態から「ド(C)」を弾いて薬指をひっかき「ドーシー(C-B)」を、1、2フレットを押さえた状態から「シ(B)」を弾き中指をひっかき「シーシ♭—(B-Bb)」を、そして1フレットだけ押さえた状態の「シ♭(Bb)」から人差し指をひっかいて「シ♭ーラー(Bb-A)」という連続を作るわけです。これを、他の弦でも同様に練習しましょう。
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それでは、実際に映像を見ながらやってみましょう。

〈ここがポイント!〉
●ハンマリングオン、プリングオフ共に、最初の音と叩いた、またはひっかいた音の音量をそろえます。
●ゆっくり練習すればしっかりした音が出せるようになりますが、あまりにゆっくり叩くと音が出にくくなるので、速やかに。最初の音と叩いた(ひっかいた)音が、4分音符や8分音符のタイミングに合うようにします。
●プリングオフでは、ひっかく指を意識しすぎて、押さえている指も一緒に動いてしまいがちです。ひっかく指、押さえる指、それぞれの役割を分けて。
●指の力が弱い人、特に薬指や小指の力が弱い人にはとても有効なエクササイズです。

(監修/おもたにせいじ・トイズミュージックスクール主宰)

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