2016.3.4

ウクレレ基礎練習:指の動きを美しくする「クロマチック・スケールピッキング」

「クロマチック・スケールピッキング」は、左手のフィンガリング(弦を押さえる指の動き)を美しくし、右手のピッキング(弦をはじく指の動き)を早弾きに対応できるようにするためのエクササイズです。ウクレレを弾く前の準備運動として、試してみてください。

左手は、いちばん上の4弦1フレットを押さえた状態からスタートし、人差し指で1フレット(ソ#/G#)→中指で2フレット(ラ/A)→薬指で3フレット(ラ#/A#)→小指で4フレット(シ/B)を順番に押さえることで、メロディを半音ずつ上昇させていきます。4弦で4フレットまで弾いたら(①)、続けて3弦で同じように(②)、そして2弦(③)、1弦(④)と進みます(下図)。


4弦

3弦

2弦

1弦

1弦4フレットまで弾き終えたら、4本の指すべてを同じ弦の半音上に移動します(2、3、4、5フレットを押さえた状態)。ここからは下降メロディに。4本の指を押さえた状態から弾き始め(レ/D)、小指を外す(レ♭/Db)、薬指を外す(ド/C)、中指を外して(シ/B)いきます(①)。人差し指が1弦2フレット(シ/B)に残ったところで、上の2弦に移動。2、3、4、5フレットを押さえた状態(②)から、同じように下降メロディを弾いていきます(下図)。これを3弦(③)、4弦(④)でも行ったら、今度は4弦3フレットから上昇メロディをスタート。
この上昇メロディと下降メロディを繰り返して、できるだけ高いフレットまで根気よくやることが、エクササイズになります。


1弦_

2弦_

3弦_

4弦_

一方、右手は、親指と人差し指で交互に弦をはじくツーフィンガー・ピッキング奏法を使います。この奏法なら、右手を16分音符などの速いフレーズにも対応させることができるようになります。同一弦上で、親指でダウン、人差し指でアップを繰り返します。まずは1フレットで親指ダウン、2フレットで人差し指アップ、3フレットで親指ダウン、4フレットで人差し指アップ、とはじいてみてください。

それでは、実際に映像を見ながらやってみましょう。

〈ここがポイント!〉
●左手の指は必ず指先を立てた状態で、第1関節を突っ張らせずに丸くして弦を押さえます。
●左手の親指はネックの裏に軽くあて、他の4本の指は弦に対して45度ぐらいの角度をつけて押さえるようにしましょう。
●上昇メロディでは、弾いたあとも指は「放さず押さえたまま」にします。
たとえば、2弦1→2フレット「ファ/F→ファ#/F#」の2音を繰り返すとき、あるいは2弦1→3フレット「ファ/F→ソ/G」の2音「ファソファソファソファソ…」を繰り返すとき、弾いたあと人差し指が放れるのは美しくありません。人差し指は押さえたまま、中指あるいは薬指だけを動かすようにすると、ラクに弾けます。できるだけ近くに指を置く習慣づけをするとことで、美しいフィンガリングができあがります。
●下降メロディでは、「4本の指で押さえた状態を作ってから」、小指、薬指、中指、と順番に外していきます。
●弦をはじくほうの右手は、小指をボディ表面サウンドホールの下、くびれの近くにあてて、手の位置を安定させます。
●メトロノームに合わせて、音符の長さを均一にするよう頑張りましょう。

(監修/おもたにせいじ・トイズミュージックスクール主宰)

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