2016.1.14

ハワイを代表するブランドに成長した、カニレア・ウクレレの工場見学

ホノルルから北へ20キロ、車で20〜30分の街カネオヘにあるのが、カニレア・ウクレレ工場です。カニレアは、オアフ島カイルア育ちのジョー・ソーザ&クリスティン夫妻が1998年に設立した若いウクレレ・メーカーですが、品質と信頼が評価され、ここ数年でハワイを代表するブランドに成長しました。

実際に工場を訪ねてみると、スタッフたちによる親切な工場案内によって、品質へのこだわり、正確かつ丁寧な製造システム、作り手の真剣さが伝わってくるのです。
「まず、使用するハワイアンコアなどの木材は『桟積み』という方法で乾燥させます。木材の間に別の角材を桟木にして差し込み、風通しをよくするわけです」とスタッフの説明。厳選したコア材のほか、スプルース、ウォルナット、メイプルなど各種木材が並ぶ倉庫から、見学ツアーは始まります。
乾燥した木材を縦に割って見開き状態にし、木目が左右対称になるように1枚の裏板にする「ブックマッチング」工法や、コンピュータ制御によりネックやフレットボードの正確な切り出しを可能にしたCNCマシンの導入、その一方であらゆる行程で磨くため、粗い60番から細かい1500番までのペーパーを使い分ける手作業、独自のTRUブレイシング技術、美しい光沢を可能にするUVフィニッシュの導入……と、一連の工程は最新技術を導入しながらも丁寧な手作業を徹底、というひじょうに興味深いもの。最後にはグロス仕上げ、シルク仕上げ、ナチュラル仕上げで完成したそれぞれのボディを比較しました。
「ナチュラル仕上げは、木の素材感を出すためにボディがひじょうに薄い。それだけに音の響きも良いです」
製造工程の最後に装着するブリッジは、迷子にならないようにずっとボディの中に入れてありました。カニレアでは、1台のウクレレに使う材料に同じシリアル番号をつけ、つねにひとまとめにして棚に保管。1本のウクレレは、組み立て前の段階ですでに一生を共にするパーツが決められているのです。

ハワイ語で「心躍る音色」を意味するKanile‘a、今後に期待が高まります。

裏板play_1601_1の木目をブックマッチング

 

 

 

 

play_1601_2 カスタムのハワイアン・アイランド・テナーの表板、
これからサンドペーパーがけを行うところ

 

 

 

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ヘッドプレートにつけるカニレアのロゴ       UVフィニッシュを行うライトボック

play_1601_5カニレア工場の見学ツアーは月〜金曜朝10時30分から。

● Kanile‘a ‘Ukulele
46-216 Kahuhipa Street, #3, 
Kane’ohe, Hawaii 96744.
http://KanileaUkulele.com