2015.12.6

設立100周年を迎える老舗メーカー、カマカのウクレレ工場

kamaka_0ウクレレを弾く人なら誰もが一度は手にしたい「ウクレレの王様」カマカ・ウクレレ。まさにウクレレらしい、硬くシャープな音色を放つところが、カマカ・ウクレレの王道たる所以です。ボディにハワイアンコア材を使い、ネックはマホガニー、指板はローズウッド(スタンダード・タイプの場合)。ハワイアンコアはウクレレに最適な硬さと木目の美しさをもつ木材ですが、伐採制限があるため貴重な素材。カマカの工場にはコア材が積み上げられ、乾燥するまで10年以上保存されています。
カマカ・ファミリーが代々受け継いできた「カマカ」ブランドは、1916年にサミュエル・カマカが設立。通常のひょうたん型と共に広く知られているパイナップル型は、1920年代に彼が初めて考案した形なのです。サミュエル・カマカの死後は、息子たちサミュエル・ジュニアとフレッドが工場を継ぎ、現在は孫たち──クリス、ケイシー、フレッド・ジュニアら──と、さらにその息子たちが中心となって運営。ウクレレ・プレイヤーとしても有名なクリス・カマカは製造責任者として、弟ケイシーはカスタムメイド専門の職人として、フレッド・ジュニアは経営面を担っています。
「決して妥協しないのは、祖父がこだわってきたクオリティとサウンド」と、工場内を案内してくれたクリス氏は胸を張ります。
カマカの受付には、創始者そして代々カマカを支えてきた人々の写真と、ソプラノからバリトンまでカマカ・ウクレレがずらり。工場内部に進むと、マシンの稼働音やカナヅチの音、扇風機の回る音など騒音が大きく、また暑いため、各部署に配置されたスタッフは汗だくです。でも、ひょうたん型の型枠に入れてのベンディングや、接着作業、ボディ内側の補強、フレットの打ち込みなど、ウクレレ製造の工程をしっかり見学することができます。
1台1台、大半を手作業で丁寧に作られたウクレレは、棚に並んで検査を待ちます。「最後は手作業でのチェックが重要。私が検品します」とクリス氏。
2016年は記念すべき100周年となるカマカ。スペシャルなイベントに期待が高まります。

kamaka_1カマカ工場があるのは、ワイキキ中心部から5キロほど西に行ったカカアコ地区。無料見学ツアーは、火〜金曜(祝日除く)10時30分から1時間ほど。5人以上の団体は別枠で要予約となります。

 

 

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受付に並ぶカマカ・ウクレレ ショーケースに入った年代物ウクレレ。
左から2本目が、1928年製造の初代パイナップル

 

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型枠で固定し、表板を接着 ネックをボディに接合

 

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ハンマーでフレットの打ち込み作業 カスタムメイドのカマカを手にするクリス氏

 

kamaka_8見学の記念品は、サウンドホールの廃材にカマカの
ロゴをエンボス加工したマグネット。
100周年まであと1年!