2015.12.6

新進プレイヤーを育てる技巧派、ジョディ・カミサトの「ウクレレ・ハレ」

2000年代に入り、ジェイク・シマブクロを筆頭に若手技巧派プレイヤーたちがウクレレ界を席巻してきました。ジェイクの古い友人であり、ジェイクのいたピュア・ハートのライブは必ず追っかけていた、と語るジョディ・カミサトもまた、技巧派プレイヤーの一人。
現在は、ウクレレ・ユニット「ハート&ソウル」として活動し、特にアウラニ・ディズニー・リゾート&スパで週2回開催される「スターリット・フイ」ショーで見せる彼らの超絶パフォーマンスは、観客の目を釘付けにしています。このショーでジョディは、ポルトガル人によって持ち込まれたウクレレが、近年どのように若者の間で発展してきたかを体現するのです。
そしてジョディは、ホノルルのカイムキ地区でウクレレ・スクールを経営し、今後のウクレレ界を担うプレイヤーたちを育て上げている人物でもあります。彼の愛弟子の女性デュオ、ホノカ&アジータは、まだ10代の少女ながら日本でも知られる魅力的プレイヤー。「Hawaii Five-O」のカバーで見せるキュートな早弾きに魅了された人も多いことでしょう。
彼女たちも通うジョディのウクレレ・スクール「ウクレレ・ハレ」は、Hale=Homeの意味どおりアットホームは雰囲気。講師5人、生徒250人という大所帯ですが、ロビーは居間のようなくつろぎスペースで、レッスン後の生徒や講師たちがジャム・セッションをするのも日常風景。またジョディのオフィスルームには、10センチほどの高さのステージもあります。
「ほんの少し高いだけでもプレイヤーの目線が変わるので、人前で演奏する気持ちを味わえます。これは講師のお父さんの手作り」とジョディ。

learn_0「レッスンは何歳からでも」をモットーに掲げるウクレレ・ハレ、実際に生徒は2歳児からお年寄りまでと幅広いのです。しかしどうやって2歳児にウクレレを?
「音楽を“弾く”ことは難しくても、ウクレレの音色と指のタッチは教えることができます。まずウクレレの正しい持ち方、そしてストラミング、単弦をはじくことも」

ハワイでは小学4年生でウクレレの基礎のみ教わるそうですが、そこから自分のモノにするかどうかは自分次第。ジョディはロイ・サクマやジェイク・シマブクロからも教わり、また60年代後半から活躍する伝説のプレイヤー、ピーター・ムーンからは、彼の自宅で個人指導を受けてきました。特にピーター・ムーンは「自分が弾いてみせて、さあおまえが弾いてみろという教え方で、ぼくが必死に練習している間、彼は居間でテレビを見ながらタバコを吹かしている(笑)。彼からは、楽譜ではなく目と耳でプレイを憶えること、集中することを教わった」と語ります。
伝統的ハワイアンに再び息吹を与えたピーター・ムーンから、近年の技巧派スタイルを踏襲するジョディへと、ウクレレの道は脈々と引き継がれ進化しているのでした。

learn_1ハロウィンの飾り付けが施されたウクレレ・ハレの玄関

learn_2おもさんとジョディ、手にしているのはトイズウクレレ楽団のうちわ

Ukulele Hale
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